今は28世紀


地球博物館の片隅に展示してある


ほこりをかぶった小さなノート型のパソコン


開いてみたが何も見えない


そのとき博物館に響きわたったのは..................
小さなおとぎ話 心の雫♪

 
昔々 21世紀の始めごろネットという世界の物語 
 
花と緑にそして小鳥のさえずりに囲まれた美しい島 
人はその島をMIDI島と呼んでいた
島の小さな城には心優しい音姫が住んでいた
姫は隣の大きな島の王子に心を寄せていたが
王子はすでに婚約してしまったのだ
かなわぬ恋の切ない想いは増すばかり
姫は思いをMIDIにたくし ピアノを弾き続けた
 
時が過ぎさまざまな島の勢力争いが続き
争いに疲れた王子の耳に心地よい調べが聞こえてきた
姫のMIDIが彼の心を癒したのです
恋は実ることはなかったが
王子のために姫はMIDIを作り続けた
 
今は28世紀 
博物館に響きわたったのは姫の作ったMIDIだった
数百年の時を経ても音色は褪せることはなかった
聴いた人々は心打たれ古きよき時代を懐かしんだという
 
aurora